仕事のはなし

mission1.業務目的を書式化 ~試行錯誤編~

「業務目的」「目標設定」が定まっていない部署に所属していた平社員が、勝手に業務内容を書式化し始めたという話の続きです。(前回までの話はコチラ

自分が所属していた部署には「業務目的」が書式化されたものがありませんでした

”こういったことをします”という、ざっくりとした設定はあったのですが、それは入社時に説明をしてきただけで、”具体的にこういった内容です”というモノは存在しませんでした。

新入社員にも、「各々がやっている業務をみながら理解していってね」というスタンス。
今思い返すと、歴代の新入社員たちに大変申し訳ないことをしてきたなと思ったりします。

具体的内容がフワっとしているが為に、今まで自分自身も業務中に思い悩むことが多々ありました。また、それは自分だけでなく、後輩も悩んでいました。

「この仕事は自分たちが受けていいのか」
「どこまでが自分たちの業務なのか」
「自分たちの成果は評価されているのか」などなど。

業務内容がフワっとしていることがすべての原因とは言えませんが、何となく部署の雰囲気がギクシャクしていきそうな様子も伺えたので、これは私が産休に入る前にどうにかしないといけないのでは…。

どうしたらいいのかわからなくなった私は、先人の知恵をお借りしまして、「部署の業務目的を書式化し周知する」ことにチャレンジすることとなりました。

この時点で、自分が産休に入るまであと1か月ちょい。果たして間に合うのか非常に不安でした。

業務内容を書式化する目的

業務内容を書式化する目的は以下の通りです。

  1. 部署のメンバー及び他部署含む全員が、当部署の業務内容をいつでも確認&共有できる
  2. 自分の業務を落とし込むことで役割が明確化する
  3. いずれ人事評価へと繋げる

まず①の、みんなに共有という部分ですが、部のメンバーはもちろんのこと、上司、別の部署の上司・メンバーに共有する際に、書式化したものがあると話が早いという利点があります。

例えば、何か業務依頼があった際、「当部署ではこういった方針で業務を進めているので、この流れで対応します」と説明する際に使えます。また、業務内容の線引きをする際にも使えます。

書式化しておくことで、いつでも誰でも確認できますので、誰もが同じベクトルで内容を理解し、活用することができるようになります。

②の業務を落とし込むという部分については、自分のやるべきことが明確化するので、自分の担当している業務の会社への貢献具合を把握するであったり、仕事で方向性を見失いかけた際の手助けになると考えました。

自分自身、仕事に行き詰まった際に「この仕事、会社の為になっているのだろうか??」と思ってしまうことがあったのですが、定められた業務内容に当てはめて考えれば、「自分の判断は間違っていなかった」とか、「やはり業務範囲外の仕事になってしまっているから上司に相談してみよう」などと、モヤモヤ感は解消できると考えました。

③のいずれ人事評価に繋げるという部分については、以前の記事でも記した先輩や某企業元社長の助言からヒントを得ました。

事実、自分が所属する会社の人事評価は、どういった評価をされたのか不明瞭であったり、入社数年は一律であったりと、なんとも確立できていない現状がありました。

一般的な企業はどうやって人事評価を行っているのか聞いてみたところ、

  • 企業・部署の方針に沿った業務ができているか
  • 年度初めなどに各自で設定した目標の達成度合い

であることが判明。

方針がない上に、目標設定もしていない現状で、人事評価などできるわけないではないかと気が付いたわけです。

現状、自分もすぐに産休に入ってしまうし、会社としてそういった体制が整っていない状態なので、すぐに人事評価に活用できることはないのですが、せめて直属の上司の人事判断材料として、少しでも活用していってもらえれば本望だと思い、目的のひとつと定めました。

①業務内容を書き出した

まずは全員の業務内容を洗い出すことから始めたのですが、恐ろしいことに業務内容が個人によりバラバラという現実にぶち当たりました

各自が様々なお客さんの窓口業務を行っているため、業務内容がお客さんごとに異なっていました。そのため、だれがどんな仕事をこなしているのか、細かい内容については自分も把握しきれていない部分もあるという状況。上司などもっと理解していない状況でした。

まずは自分が把握できている内容をひたすら書き出し、新入社員を除くメンバー全員の業務分担表を見ながら、書き出した業務内容で網羅できているかをひとつひとつ確認していきました。

そして、不明瞭な業務内容に関しては、本人などに確認を行い、ある程度網羅できる状況までもっていきました。

②業務内容を分類分け

ひたすら書き出した業務を分類分けしました。

大きく分けるとA、B、Cという業務があり、Aの中に5項目、Bの中に3項目、Cは2項目と中分類があり、それぞれの中に具体的業務事例を記載していきました。

この作業がなかなか大変で、完成したと思って見直してみると抜けや該当箇所がない業務が次々と判明。

ある程度仕事を抱えているメンバーの業務内容を実際に当てはめてみながら、新規項目を追加しつつ、メンバーが自分の業務を当てはめやすい書式に修正していきました。

③上司の許可を得る

なぜだかわかりませんが、当社には某企業の元社長が役員として在籍していました。

その役員は嘱託といいますか、監査といいますか、本来毎日出社しなくてもいいようなポジションでしたので、比較的時間に余裕があられる方。

ということで、その役員にひたすら相談&書式化した業務内容の添削をしていただきました。

何回添削をしていただいたか忘れましたが、初期段階も含めると10回以上は添削していただいたような気がしています。その役員も当部署をどうにかしたいと思ってくださっていたので、winwinではあるのですが、ご老人を巻き込んで本当に申し訳なかったです…。

そして完成したものを、自分の部署の上司に説明を行いました。

上司を納得させれば、公式のマニュアルとすることができるのです。

なんてったって自分の部署の上司は、上司とはいえ他部署との兼任上司。

最近になってようやくこちらの部署についても興味を示してくれたようなレベル。

しかし、ここをちゃんと通過しておかないと、後々ややこしくなるので、上司の意見も聞き入れながら修正を行いました。

④部署のメンバーに説明

ここまでもってくるのにおよそ1か月弱かかりました。

あと2週間ほどで産休という時点でなんとか完成までもってくることができたので、部署内の皆に時間をもらい説明を行いました。

なぜこのようなものを作成したのか理解してもらうことが一番の目的。

次に内容を各自読み込んでもらい、自分の業務に当てはめてもらおうと思いました。

が、説明していく上で、私は気が付きました。

たぶんコレ、みんな読み込まないな

初見で意味不明な初めての書類を、どこまで読み込める人間がいるものでしょうか。

各自の業務をこの業務目的に落とし込んでもらう作業をして、初めて意味があるのではないかと感じたのです。

ということで、残された2週間弱で私は、業務目的一覧表に各自の業務内容を落とし込むシートを作成することとなりました。

mission2へつづく