おそらく、不妊治療を経験された方は、心をすり減らしてしまった経験もお持ちなのではないでしょうか。
そもそも、「一般的」な流れで妊娠できると思っていたのに「できない」という現実を突きつけられた時点で、多少はメンタルブレイクしているわけですから。
先が見えない治療。お金だけどんどん飛んでいき、痛い思い、恥ずかしい思い、悲しい思い、付きまとう不安、いろいろ経験します。
不妊治療中、どんな場面で心をすり減らしがちで、それを回避する術の一部を、独断と偏見でご紹介したいと思います。
教の内容は、かなり極端で偏った意見もありますが、そういう考え方もあるよね~って感じでごらんください。
不妊治療専門病院は同志の集い
ひとくくりに「婦人科」といっても、婦人科の中には様々な分野があります。
その中でも不妊治療は特殊なので受け付けていない病院も多いですし、人工授精までならできるけれど体外受精はできない病院もあります。
病院選びの際、気を付けていただきたいのは、不妊治療もできるし、出産もできるという婦人科です。
こういった病院ですと待合室で、不妊治療をしている患者さんの隣に、出産間近な妊婦さんが座ることになるわけです。
※そのあたり配慮されている病院もあるとは思います
不妊治療をしていると、そんなつもりはないのに、妊婦さんや小さいお子さんを見かけると辛い気持ちになってしまうことがあります。そしてお子さんたちを妬ましく思ってしまった自分にまた嫌気がさしてくるという負のループ。。。
ただでさえ注射を打たれて体がしんどい時に、そんなつもりはないのに心まですり減らすのは辛いじゃないですか。
もし、ご自身と条件があう不妊治療専門病院があるなら、そこを選択することでココロを守れることがあると私は思っています。(通える範囲に専門病院が無い場合は仕方ありませんが)
不妊治療専門の病院なら、患者は不妊治療中の人、もしくは不妊治療を経て妊娠したての人しかいません。
みんな原因は違えど、同志。むしろ仲間にさえ思えてきます。
病院で下手に友人関係を構築してしまうと、治療の長さは人それぞれなのでまた気苦労が生じてしまう可能性があると思うので、個人的にはおすすめしませんが、治療で辛かった時に、「ここにいるみんなも頑張っているんだ」と思うと、自分だけではないんだなと思え、頑張れたこともありました。
最後に罪滅ぼし程度に補足すると、産院と不妊治療が連動できる病院であれば、不妊治療を経て妊娠後も同じ病院で診てもらうことができるので安心ではあります。
ただ、不妊治療って、そう簡単には終わらないことの方が多い。
長引けば長引くほど、心を保つことが難しくなる機会が増えるような気がしています。
だから、回避できるものは回避していいと私は思っています。
心が厳しい時は、子持ちの友人とは遊ばない
これは「不妊治療」に限った話ではありません。
友人たちがみんな結婚して出産している中、自分だけが独身だったり、結婚したけど子どもがいない、そして不妊治療中なんで場合に当てはまると思います。
自分は自由に遊べる立場でも、結婚して子どもが産まれた友人は、子どもの面倒を見ないといけないので、独身時代のように自由に遊ぶことはできません。
そうなってくると訪れるのが、「誰かの自宅にお邪魔して子どもも含めて遊ぶ」というイベント。
幸い私は、そういったイベントが少なかったことと、誘われたタイミングが心穏やかな時で、負担にならなかったので、被害なく今に至るのです。でも、心が折れている、すり減っている状態の方には、本当に地獄でしかありません。
私も、体外受精がダメだったと分かった直後に友人宅に呼ばれていたら、心が破壊されていたかもしれません。
子供がいない自分が、子持ち友人が集う場に参加するとどうなるか。
- 子どもが得意な人はいいのでしょうが、まずどうやって子どもと遊んだらいいのかわからない。
- 子どもが泣いたらどうしたらいいかわからない
- 友人の子どもをしかっていいのかわからない
- 苦労している友人を見て、自分に自信がなくなる
- 子育てのグチを聞いていると、自分はそのラインに立ちたくても立てていないと憤りを感じる
などなど、あふれんばかりの予想が思いつきます。
だから、
心が辛いときは集いに参加しない
最悪、ドタキャンだってやむを得ない。(被害最小限になるよう工夫は必要)
周りへの不妊治療の公表は慎重に。そして覚悟せよ。
不妊治療を始めると、仕事を欠勤、早退、遅刻しないといけないことがしばしばあります。
そんな時、不妊治療を受けていることを会社の同僚や上司には事情を説明しておくと、このやり取りが非常にスムーズになります。
一方で、不妊治療ってまだまだ認知度が高くないジャンルでもあります。
「不妊治療?あ~そう。子ども出来ないのね、かわいそうに。いいよいいよがんばって~」
ここまであからさまに言ってくる人はいないと思いたいですが、内心こんな感じで捉えられてしまうのは当たり前だと覚悟しておいた方がいいでしょう(だいぶひねくれた意見ですが)
私の勤める職場は、コロナ禍でだいぶ働き方が自由になったので、それをいいことに不妊治療に踏み切りました。
不妊治療と言わずに「通院による早退・遅刻」を繰り返していると、なにか大病なのではないかと心配されてしまうこともあり、私は周りに「あけっぴろげに不妊治療を公表」することにしました。
上司にも、同僚にも、後輩たちにも。
結果どうなったか。
休みやすくなったし、いろいろと話が通りやすくなりました。
不妊治療とか普段は聞きにくいことだし、聞いていいのかわからないけどと言いながら、不妊治療について質問してくる方もいました。そういった方には簡潔に説明を繰り返しました。
ただ一方で、
「なんで子ども出来ないんだ!おかしいじゃないか!旦那が原因なんだろ?!」
と言われたことも。
できなくておかしいと思ったから、治療しに行ってるんだよボケェクソジジィが!! と、叫びそうになったのをぐっとこらえて、まぁそれに近いコメントを返してやりましたけどね。
※こんなこと言ってきたのは、当時会社の相当えらい立場のジジィ
もう一つタチが悪いのは、向こうは悪気はなく、むしろ私のことを想ってコメントしてる言葉が、私を傷つけているパターン。
「お前は治療頑張っているし、来年の今頃は産休とっているのかもな」いやぁ~そう簡単には出来ないから通っているんですってば!
「こどもはかわいいぞ。絶対いた方が楽しい。がんばれ」楽しみの幅は広がるだろうけど、子ども居なくても楽しいからね!
もはや先回りしすぎて「養子縁組ってのもできるらしいぞ」ありがたい情報かもしれないけど、まだ頑張り始めたところなんですけど、今言う?!
この発言をしてきた人は、本当に全っ然悪気はないんですよ。
むしろ応援してくれようとした結果のクソコメントです。
たまたまかもしれないけど、どれも既婚者男性から言われたなぁ・・・。気のせいであれ。。
私はそれとなく流したり、「それ言います?!」とつっこんだり、「ちょっと先が長そうなので、そのコメントはやめてください~」と冗談半分に言い返したりしてきましたが、ふと後日急にフラッシュバックして涙したこともありました。
涙がでて初めて、「あ、私、本当は辛かったんだ」と気がついたのです。
周りの環境にもよりますけど、言わなくて済むなら言わない方がいいかもしれない。
でも、言った方がラクなことも多い。だけど、覚悟は決めて、耳が痛いコメントはスルーする術を身につける必要はあります。
大切なこと
なにはともあれ、
自分の心は自分で守る
自分のことを、他人に十分理解してもらうことなどできません
他人がみんな配慮してくれるなんて、そんなワケないんです
私も若いころ、子育てができなくなった女性の話が理解できなくて軽率な発言をしてしまったり、妊娠して仕事を引き継ぎ始めた先輩をうっとおしく思ってしまったりしたことがありました。
知らなかったから、理解できなかったのです。周りで同じような事例をきいたり、自分が当事者になったことで、あの時の自分は間違っていたと認識する。
時には心をえぐられるようなコメントを言われてしまうこともあります。
そんな時は、「この人は不妊治療について知識がないだけだから仕方ない」と思って、割り切るのが一番です。
時には思いっきり泣いたりしてストレス発散しながら、休みを挟みつつ、不妊治療と自分なりのいい距離感を保っていくことが大事だと思います。
ちょっと偏った意見も言いましたが、自分を守るための手段は周りの目など気にしなくていいと思います。