夫が今年の夏、40歳にして晴れて普通自動車免許を取得しました。
車が無いと生きるのが困難な地方出身の私からすると、運転免許は必須アイテム。
高校卒業したらとりあえず取得するのが当たり前だと思っていました。
とはいえ、高校卒業後栄えた街へ進学してしまうと、免許を取得して以降全くもって運転する機会はなく、ペーパードライバーまっしぐらってこともザラなのですが、免許証は身分証明書として大活躍したので、地元の友人はなんやかんやみんな取得していたような気がします。
今となっては写真付き身分証として「マイナンバーカード」があるので、もはや免許は必要ない世の中になったのかもしれないですが…
夫も地方出身ですが、大学時代に極貧生活を送っていたため、金銭的に免許を取得する余裕がなく、社会人になってからは自動車に乗る業務が無かったため、40年間無免許で生きてきました。
では夫はマイカが登場するまで何を身分証にしていたかというと
男は黙って「住基カード」
とのこと。私は夫以外に住基カードを所有している人に会ったことがなかったので衝撃的でした。
そんな夫が今年の夏40歳にして教習所に通い、免許を取得したという人生のビッグニュース。事の経緯と取得後の生活変化についてお話ししたいと思います。
なぜ今さら取得しようと思ったのか
取得に踏み切った理由は3つ。
- 子どもが誕生したから
- 育休を取得したから
- 近くの教習所は40歳を超えると受講料が高くなったから
子どもがいると自動車があった方がなにかと便利。運転手も2人いた方が断然便利という単純な理由です。
また今回の出産に伴い、夫が育休と有休を組み合わせて2カ月半ほど休みました。その間ず~っと家にいてももったいないということで、通ってみようか~という話が浮上してきたのです。(有休期間中に通ったということでひとつお願いします)
それでもまだ迷いがあった夫ですが、最終的な決定打は3つ目の理由。
家から自転車でもバスでも通える範囲内に3つの教習所があります。その中で一番老舗の教習所を夫は気になったようだったので、資料をもらいに行ったところ、
39歳までに申し込み手続きを行うと数千円安くなる
という、謎の40歳の壁があることが発覚。
その時、夫は10日後に40歳を迎えるという状況。悩んでいる時間は無い。
翌日夫は入学手続きに行きました。
教習所に入会したのが6月初旬。夫の休みは7月末までだったため、1か月で取得できるスケジュールを組んでもらいました。仮免などで落ちると育休中の取得は困難というスリル満点な状況の中、夫はまじめに通学しはじめたのでした。
いい歳で教習所あるある① 周りは若い子ばかり
当然のことながら、教習所に通う年齢層は若者が多いです。特に7月後半は夏休みに入った学生だらけだったようです。
教習所近くのコンビニまで夫を迎えに行った際、教習所から若者がゾロゾロ出てくる中に夫が混ざっていてちょっと面白かったことを覚えています。
若い友達作ったりしてくるのかと思いましたが、特に交流は無かったようです。
とはいえ、夫のような年代や、なんならもっと上の方もいたそうです。夫が通った教習所は二輪免許が有名な教習所だったらしく、みんな二輪や大型免許取得に勤しんでいたようです。
いい歳で教習所あるある② 授業が新鮮
大人になってから教室で授業を受けるというのは実に新鮮なものだったようです。
仕事でも研修などで講義を受けることは稀にあるとはいえ、ちょっと違う雰囲気なのだと思います。
テキストに書き込みをしながら授業を受ける。その内容がテストに出る。まさに学生気分です。
中には睡魔と戦う若者もいたようですが、自称勉強好きな夫は新鮮な雰囲気に眠気が吹き飛び、まじめに受講していたようです。
いい歳で教習所あるある③ 免停かと思われる
交通違反などで免許停止処分になってしまうと、再度免許取得する場合は教習所に通わなくてはなりません。
おじさんが普通自動車免許の教習所に通う=免停で通うことが多いようで、何人かの教官に「初めて?」とか「免停ではない?」などと聞かれたようでした(笑)
聞いてこなかった教官の中にも、免停かなと思った教官はいらっしゃったことでしょう(笑)
夫の基本に忠実なカチコチに緊張した運転を見ればすぐに「素人だ」とすぐ理解できますけどね。
夫の最終学歴は教習所 行動範囲が広がった我が家
夫は無事予定通り教習所を卒業し、翌月には最終試験を受けて免許取得できました。
現在も若葉マークを付け、法定速度をしっかりと守った運転をしています。
本人は、久々に学歴が更新されたと嬉しそう。
街中で卒業した教習所の教習車を見かけると、「後輩頑張れ」と応援しています。
私も、以前は教習車がノタノタ走っているとイラついてしまうこともありましたが、夫のおかげで初心を思い出し、応援するようになりました。
しかし、思い返せば、私しか運転できなかった頃はずいぶんと悲惨な出来事もありました。
初めて同棲するとなった時の引っ越し。
夫はそれまで友人の力を借りて自力で引っ越しをしてきた人だったようで、ハイエースかトラックがあれば引っ越しはできると言い張るのですが、本人は無免許。私は人生初のハイエースで朝7時に新宿駅南口を横目に都心を駆け抜けたのでした。
また以前、私の友人と夫と3人で自宅から1時間ほどの場所に遊びに行った際、私が謎の体調不良に襲われたことがありました。夫は無免許、友人はペーパードライバー。悲劇でした(笑)
本来は危険なので絶対にやってはいけませんが、なんとか友人を駅まで送り届け、私はうめきながら高速を走る。命がけでした。
そういえば妊娠中も、夫が突然ヤフオクでベッドを落札して、人生初のトラックを運転して埼玉まで引き取りにいったことも・・・自転車を落札して茨城まで行ったこともあったな・・・(悲惨)
夫のおかげでハイエースもトラックも運転する経験を積むことができたんだな…
今までは車で出掛ける際はすべて自分が運転するというプレッシャーがありましたが、今では夫がいるという安心感とともに出かけることができています。秋には箱根まで運転交代しながら旅行にいくこともできました。
本当に生活が豊かになりました。
人間何歳からでも挑戦できるってこういうことなのかもしれない。そんな経験をした夫がうらやましく思います。
以上、40歳にして免許を取得した夫の話でした。