今回は出産折り返し~後半戦です
いまのところの経過は以下の通り
- 22時入院→人工破膜+麻酔と促進剤のルート確保
- 翌朝6時促進剤と麻酔スタート
- 夫見舞いに来るが何も起きなかった為、スーパー銭湯へ
- 大きな変化なく夜を迎える
- 深夜~翌朝7時まで陣痛の激痛に苦しむ(なぜ麻酔が効かなかったかは原因不明)
私が入院した産院は、ありがたいことに立ち会い出産OKでして、我が家もせっかくなので夫に立ち会ってもらうことにしていました。
子宮口開くも夫と連絡が繋がらない
嫌な予感はしていました。
だって夫は今日(入院翌日)から育休スタートです。昨晩も遅くまで仕事していました。
※なんなら産後も軽く仕事していました(ブラック企業w)
そんな夫に私は「スーパー銭湯でも行って来たら?」とねぎらいの意を込めて声をかけたのです。
だって全然産まれる気配なかったんだもん!
でもさ、銭湯好き×酒好きは、風呂上りに飲むでしょ!!私だって風呂上りにビール飲みたいよ!
深夜、突然の強烈な痛みを感じナースコール祭り。
なにが不思議って、私、無痛分娩だよね???!なんで痛いのよ~~~!!!
びてい骨に頭突きされている感覚で、腰が割れそうな感覚。もうあかん~~~!
深夜2時に助産師さんが
「子宮口全開だね。旦那さん呼ぼうっか。」
不安を感じながら、夫に電話、LINE電話、LINEをしまくる私。陣痛が来るタイミングはうなりながら、時に叫びながら電話は離さない。
最初は「もう寝ちゃったのかな気が付いて~」と泣きそうになりながら祈っていたけれど
だんだんと怒りに満ち溢れてきて
「おのれ飲んだくれているんじゃねぇ~~~!!!(飲んでいることを確信)」
と鬼の形相に。
この時、結婚後初めて「離婚」の2文字が頭をかすめました。
しかし、今離婚してしまったら、私は1人で息子を育てていける気がしない。一時的な感情は捨てるべし。そもそも銭湯へ送り出したのは自分だからこれも想定内ではないか。と、陣痛に耐えながら冷静に考える私。
心配してくれる助産師さんに「すみません、万が一夫が来たとしても酔っぱらっているのですが、呼んでも大丈夫でしょうか」と冷静に質問し、酔っ払いOKの許可をいただいたのでした。
泥酔の夫 奇跡的にたどり着く
旦那さんを呼びましょうと言われてから1時間後の深夜3時。
奇跡的に夫が電話に出ました。
冷静にしゃべっている感じだけど、完全よっぱらいやないかい。
それから30分後、夫は無事到着。
しかし、酒臭い!!!
おのれアホが!!!
私が以上に痛がっている姿を見て、酔っ払い(夫)も「あれ、無痛じゃないの?」「看護師さん呼ぼうか」と言ってくれるものの、「いいから放っておけ!!!」とキレる私。しかし、酔っ払いを刺激してこれ以上面倒なことになるのはよくないと頭のどこかで考えており、冷静に対処せねばと必死に考える私。
今さらですけど、夫はただただ酒に酔うと泥酔するだけでして、普段は本当に頼りがいある人です(説得力皆無)
妊婦より先に個室で仮眠
せっかく酔っ払い(夫)に駆け付けてはもらったものの、息子は産まれることなく朝7時を迎えました。
「分娩台へ移動しましょう」
きたきたきたきた~いよいよだぃ!!
しかし、麻酔による麻痺と、7時間ほど陣痛と酔っ払いと戦った疲労(心労)でヨレヨレのため、車いすで移動。分娩台に座り、なぜか戦う羽目になった陣痛を緩和させるために、背中に再度麻酔の針を刺し直し。麻酔の管を2本装備して分娩台へ寝転がりました。
刺し直してもらった針から入れた麻酔は見事に効きまして、体力の消費具合はだいぶ緩和されました。
痛みを和らげるだけで、お産はだいぶゆとりがでることを実感。体と心への負担が少しでも減ることはいいことです。
しかし、丸椅子に座り隣に待機している夫の様子がおかしい。ゆらゆらしていて転がり落ちそう。
睡魔です
昨夜から夜通し飲み、その後産院へ駆けつけて私のうめき声を聞いていた夫は体力の限界です。
「まだ生まれる気がしないからソファで少し休んできなよ」
夫は受付横のソファで休んだようなのですが、病院の営業が開始する時間が迫ってきたということで邪魔者に。個室病棟は産後にしか使えないルールだったのですが、特例で夫は私よりも先に個室に誘導され、そちらでしばし仮眠したのでした。
私の女神 研修生の学生さん
「旦那さんは先にお部屋へ案内していまして、そちらで仮眠していただいていますから安心してください」
と助産師さんに言われた時の感謝の心、私は忘れません。助産師さんは、出産以外のことにもいろいろと機転をきかせなければならない。大変なお仕事です。
実は今回の出産のタイミングで、助産師目指す学生さんの研修があり、私の出産にも学生さんが1人ついてくれていました。
学生さんなので、もちろん医療処置はできないのですが、彼女には本当に本当に心の底から感謝しています。今回の出産は、彼女と戦い抜いたといっても過言ではありません。
分娩台へ上がった朝7時の段階で、私はすでに疲弊していました。実際、子どもが産まれたのは正午過ぎ。なかなか産まれなかったんです。
その間に院内では何が起きていたかというと、夫は仮眠をとり、私以外の2名の妊婦さんが出産をしていました。
個人病院で1週間に20名程度が出産する産院で、午前中に出産が3名重なるとはなかなか大変なことでしょう。
一方の私は、陣痛が来るといきむのですが、全然出てくる気配無し。陣痛が過ぎ去ると寝るという作業を繰り返していました。
他のお産で助産師さんたちは忙しそうなのに、一向に私のお産は進まない。夫は仮眠中。
気が付いたら陣痛が来て私がう~んと頑張っている時、隣で応援してくれていたのは研修生の学生さんのみでした。彼女と私が、分娩室で2人で戦っている・・・!!!なんだこの状況www
彼女だけが、私を応援してくれている(T T) 彼女の為にも出産しなければ・・・!
疲労困憊で思考回路がめちゃくちゃだったのですが、研修生の学生さんは私の腰をさすってくれたり、飲み物を差し出してくれたり、汗を拭いてくれたり、本当に本当に感謝しております。女神にしか見えません。
その学生さんはお産を見るのが初めてとのことでしたが、私の出産でよかったのだろうかと今でも思っています。出産は妊婦だけでなく、その家族の面倒も見ないといけないこともあり、助産師という仕事は本当に大変だということは体感できてのではないでしょうか・・・。
部活の試合を思い出す出産
ほどなくして、体力を回復させた夫が、さっぱりとした面持ちで帰還しました。
この野郎と思ったのですが、もはや復活してくれることが今望まれる一番の結果だと判断し、冷静に迎え入れました。
しばらくすると、他のお産が終わったようで先生登場。他の助産師さん看護師さんたちも集まってきました。
数時間前までは分娩室に研修生と自分の2人だけだったのに、15人くらいのスタッフさんが終結しています。
こんな大勢の方に自分の股を全開に見せつける機会もそうそう無いものです。
お産が難航した理由は、息子の頭が大きかったことと、回旋する方向を間違えて産道へ入ってしまったことが原因でした。完全に股に頭がはまってしまいました。手で股を触ると頭があるんです。でもハマっているんですw
腹部を圧迫して押し出す手法をとることになりました。
私はここ一番の力でいきみ、先生が私の腹をぐぐぐ~っと押します。
陣痛が来ると、私の股側に勢ぞろいしたスタッフさんたちが、一斉に
「がんばれー!!!」
と応援してくれます。
その時、私は、全力でいきみながらも「な、なんだこの状況は!!高校の部活の試合みたいだな(汗)」と考えていました。
一方、夫は「すんごい顔真っ赤だな。めっちゃ応援されているな」と考えていたそうな(お前も応援しろ)
2回の陣痛で圧迫を行ったものの出てこず、どうするんだろと思ったら先生の口から
「鉗子で」
まじか。
鉗子分娩にて出産
赤子が自力で出てこれなかった場合、吸引分娩か鉗子分娩、それでもダメなら帝王切開となります。
吸引分娩は、吸盤みたいなものをあかちゃんの頭につけて引っ張り出す手法。
鉗子分娩は、でっかいトングみたいな、布団叩き2枚重ねみたいなもので赤ちゃんの頭を挟んで引っ張り出す手法。
妊娠後期に産院で受けた両親学級で、吸引分娩と鉗子分娩に使う器具を見せてもらっていたのですが、その時鉗子を実際触らせていただいて、「コレ、やべぇな」と思ったヤツでした(涙)
疲労困憊で意識が朦朧としていたものの、「あの鉗子つかうのか!!!」と思ったら目が覚めた私。
先生、しれっと「会陰切るよ~麻酔効いているから大丈夫」と言ったそばから
チョキン
と切られる会陰。(T T)
そしてもうよくわからないのですが、鉗子が押し込まれセットされ、陣痛が来たタイミングで
私と先生「ふんどりゃぁ~~~!!!」、※先生:鉗子引っ張る
おぎゃぁ~!!!
事前に会陰を切っていただいていたにもかかわらず、さらに会陰は裂けてしまったため、血まみれの子どもが産まれました。
誕生して早々、息子は沐浴してもらい血を落とすことに。
先生「あ~、これは・・・たくさん裂けちゃったね(^^)キレイに縫うからね~♪」
きっと想像した以上に騒がしい未来が僕を待ってる(チェリー)
皆様のおかげもあり、夫はへその緒をカットすることができました。正確に言うと、当初はへその緒カットはしたくないと言っていたので私が切る予定だったのですが、迷惑かけたので切っておけやとなり、切らせました。(罰ゲーム?w)
出産直後に母親の胸元で抱っこするカンガルーケアやら、初乳を飲ませる(でないけど)などして、産院の方がたくさん写真を撮影してくれたのですが、どの写真も私の顔は死んでいましたw
疲労困憊ってのもあったのですが、同時に裂けまくった会陰を縫合してもらいながら写真撮影していたので、だんだんと麻酔が切れて痛みを感じ始め、顔がゆがむ一方。。。
先生「イボもとっちゃう?」
そう、私は肛門の横にイボがあるんです。痔だと思って病院へ行ったら、イボだから皮膚科へ行ってくださいと言われ取ってもらえなかったイボ。
まさかの出産でイボを消滅させることができました。(のちに少し復活)
そして私は眠りについたのでした・・・。おしまい。
…と思ったら、
3時間おきの授乳?!!乳出ないし!!!
出産辛かったけど、産後の方が辛いじゃんと思い、産後ホルモンも相まって号泣する日々がやってくるのでした。
産後半年を越えてだいぶ忘れてしまったこともありましたが、私の出産はこんな感じ。
私はなぜか無痛分娩が途中で途切れちゃって体力消耗したけど、もし無痛分娩にしていなかったら最後まで体力持ったのかと不安になりますよ。
ありがとう無痛分娩。ありがとう先生。ありがとう助産師さん。ありがとう研修生の学生さん。ありがとう…夫…。