「不妊治療をしています」と周りの人たちに言うか、言わないかという話です。
不妊治療を始めると、どうしてもネックになってくるのが、仕事との両立です。
自分の体とはいえど、ちょっと我慢すれば排卵を遅らせることができる!ってなわけではないので、完全に自分の体のご都合と相談して、治療の日程は決まってしまいます。
そうなると、会社を早退したり、お休みをとったりしないといけない日が出てきてしまうのです。
考えた結果、私は比較的おおっぴろげに公言することにしました。
公言してよかったこと
まず、なんといっても仕事を休んだり早退したりしやすくなったことです。
皆が皆そうなるとは思えませんが、私の場合は変に理由を聞かれることもなく、周りも変に心配することもなく仕事を任せることができるようになりました。
一度誰かに公言してしまうと、もうどうにでもなれとどんどん話してしまったんです。(でも人を選んで話すのは大事)
私はお酒が好きなので、以前は飲み会によく参加していたのですが、不妊治療を始めるとタイミングによってはお酒控えるようになるので飲み会も参加しにくくなります。
誘ってくれがちな人や、誘われた段階で、「不妊治療始めたのでお酒飲めない可能性高いです。ごめんなさい。」「でもノンアルでもよければ・・・」と話して、ノンアルで参戦したり、飲み会を辞退したりしました。
とはいえ、コロナ禍で飲み会自体が開催できない1年でしたので、不妊治療をやるタイミングとしてはよかったのかもしれないと思っています。
公言することのデメリット
公言することのデメリットといっていいのかわかりませんが、不妊治療が理解されないことが多々ある、ということです。
これは意外と難しい問題でして、理解してもらえない人にはいくら説明してもなかなか理解してもらえるものではありません。
私の場合は、会社の偉いおじいちゃんに全然理解してもらえませんでした。
偉い方なのですが、なぜか私はいろいろ気にかけてもらっていまして、そこは本当にありがたいのですが
「早く子どもをつくれ」「なんで作らないんだ」
と盛んに聞かれたので、自分たち夫婦は検査したけれど数値は正常、だけどできないから不妊治療始めていますって話したんです。
そうしたら、「気合が足りんのだ」などと余計な話まで散々色々言われたので、つい私も「そういうことを私以外の人に言っては絶対だめですよ!ナイーブな話なんですからね!余計なお世話です!セクハラですからね!!」とキレてしまう始末。。。 ※(注意)相手は会社の偉い人(知るか!!!)
よく、なかなか子どもが授からない夫婦が、両親や義両親からの「孫はまだか」の圧が辛いって話を聞きますが、まさにそれと一緒ですよね。
理解できないのは、ご高齢ってのもあるのかもしれませんが、それ以上に不妊に対する知識がないだけなんですよね。ご高齢でも理解してくださる方は理解してくれます。
もう少し世の中に不妊治療が浸透してくればいいなぁと思ってしまうことも多々あります
公言したことによる発見
おそらく世の中は、「不妊治療」という存在は知ってはいるものの、どういうことをするのかはわからない、知識がないという方が大半です。
なので、「私、不妊治療やっています」と話すと、
「こんなこと聞いていいのかわからないけど…」という前置きの後、
- 不妊治療ってどんなことするの?
- いくらくらいかかるの?
- 自分もやった方がいいのか悩んでいたんだよね
などと、多くの方が興味を持ってくれるといいますか、そこから話が広がることが多かったんです。
これは個人的に意外な展開でした。
みんな、意外と興味あるんだな。
その場で質問に対しサラサラっと回答すると、みんな結構真剣に聞いてくれるんですよね。本当にありがたい。
中には「そこまで聞く?」と思ってしまうようなことまで聞かれたこともありました。なんでそんな聞き方するんだろ、と思ってしまう質問されたり、なんやかんやで「子どもはかわいいから早くつくりなよ」と言われたり。「できないから治療してるって言ってるじゃないか!」と盛大に突っ込むけど、結局理解してもらえなかったり。。。
でも聞いてくれるということは、興味がある、もしくは少しでも理解しようとしてくれているということなんですね。理解したら、次に不妊治療をされている人と出会ったときに、こんな聞き方はしないかもしれない。
学校で、不妊治療についてなんで習いませんでした。なんなら、妊娠についてだってあまりちゃんと習ってこなかったかも。
学ぶ機会がなかったのだから、知らないのは当然な事ではあるんですよね。
「不妊治療だなんて」などという人たちも、学ぶ機会がなかっただけなんです。
それにそもそも、子どもがいることが正義なわけでもない。でも子どもがいる人生は楽しそうだなと思ったから治療しているだけ。
「親族が不妊治療やっていたからいろいろ大変なのわかるよ~」「友人がやってたよ」などと、身近に不妊治療経験者がいた方を発見することもできました。
そういった方たちは暖かい言葉をかけてくれるし、理解してくれます。
自分の勤める会社は、男社会な会社なので、不妊治療など理解してもらいにくいだろうと当初は心配でした。
しかしたまたま自分の上司(男性)は、妹さんが不妊治療経験者であったことから、上司の理解ははやく、本当に助かっています。知る機会があれば、理解はできるのです。
公言することに対して 自分の見解
個人的には、公言してよかったと思っています。
でも、公言する人の範囲はしっかり選定するべきです。
何より大事にしなくてはいけないのは、自分の心。メンタルです。
不妊治療をしていると、どうしても一喜一憂あると思います。
ほんのささいな言葉でも、心を痛めてしまうこともあります。
公言すると、周りに気を遣ってもらえる部分もありますが、ほんのちょっとした相手の言葉がグサっとくることもあります。
ましてや全然理解してくれない人に話す場合はもっとメンタルがやられます。
ですから、公言することがいいとは言い切れません。
治療の内容、職場の環境を考慮しながら、あせらず検討していくのがいいかと思います。
何が正解ということはないと思います。私もまだまだ治療は続きますが、後悔ない決断をしていければいいなと思っています。