仕事のはなし

転職未経験者の転職活動のすすめ

後輩や同僚から

「会社辞めたいんだよね」「会社辛いです」

と言われたことが何度もあるのですが(その会社大丈夫なのか)、
決まって私は

「転職するかしないかはさておき、とりあえず転職活動してみ!」

とおすすめしています。

かくいう私は、新卒で入社してからず~っと同じ会社で勤めてきており、一度も転職をしたことがない人間なので説得力としては激ヨワなのですが、転職活動は何回かやってきました。

他社に面接を受けに行ったり、最終面接まで進んだこともあります。

結果的に転職はできませんでしたが、転職活動をやってきて本当に良かった、転職活動をしたから今の自分があると思っています。

転職活動経験者だけど転職したことない私が、なぜ転職活動がいいと思うのか。どこまで参考になるかわかりませんが、自分なりの理由をご紹介します。

今の自分の考えがまとまる

就活も転職も、自分が求める職種や条件を出さないと進みませんし、同時に自分の強みについても今一度見直す必要が生じます。

それらを考えることで自分の本音が明らかになって、「アレ、やっぱ転職しなくてもいいかも」とか、「やはり転職しないと人生始まらないぜ!」と決意が固まるなど、次の一手が定まりやすくなります。

「そんなとこ言われても、何から考えたらいいのかわからないよ~(涙)」という場合は、手始めに”なぜ今働いている会社が嫌になったのか”を考えてみるのはいかがでしょうか。

例えば、

  1. 自分は経理部を望んでいるのに総務になってしまった。異動できる見込みがない。
  2. 残業が多くて体がしんどい。
  3. 部署の先輩が圧力的で無理。

などと、”会社を辞めたい”根本的な理由を洗い出してください。

次に、「なぜ自分が求めていることが実現できない状況に陥っているのか」を考えます。

①の経理部希望なのに異動できない問題に関しては、そもそもどうして異動できないのか根本的理由を探れているのか、経理に必要なスキルを自分が持ち合わせていないことはないか、異動願いや上司に正式な相談はしたことがあるのかなど、洗い出します。

例えば、”上司に掛け合ってみたけれど、現状の経理部は優秀な人材が豊富で空きがない状況”なのであれば、経理部に空きがある会社へ転職する立派な理由となります。

の残業問題に関しては、部署の業務的に残業が回避できないものなのか、部署の悪しき風習で残業が生じているのかを考えます。また、部署異動すれば残業が回避できるのであれば、それも視野に入れてもいいわけです。

例えば、取引先の都合でイレギュラーな残業が発生してしまい、なかなか回避できないようであれば、転職先に求める条件は「9時~18時までで完結する営業職」ということが明確化されます。

③の人間問題に関しては、問題となっている先輩と距離を取って仕事をすることはできないものか、チームや部署異動はできないものか、上司に相談してみるとか、また先輩とタイマンはって戦ってみるっていうのもいいと思います。

人間関係が問題となるパターンって多いと思うのですが、ヤツのせいで自分が今の職を離れなきゃいけないと思うと悔しい思えてくるならば、社内でどうにかなる対応を考えればいいし、とにかくヤツがいない環境がいいならばこっちから去ればいいわけです。

ここまで考えると、

「あれ、実は転職しなくてもいいんじゃね?」

「自分、文句ばかり言ってて何も行動していなかったや」

と、気づける場合もありますし、

「やっぱり転職が必要だ!新しい環境で、自分に合ったポジションで仕事がしたい!」

と思える場合もあるかもしれません。

具体的に自分が求める条件も明確化されてくるので、志望動機がはっきりとします。転職するなら、この志望動機に合う会社を探せばいいだけ。

転職の際に転職動機を聞かれて、「今の会社が嫌だったからです」なんて言ったら大抵が落ちるのではないでしょうか。嫌だった理由をきっかけに自分が求める条件を見出すことで、転職条件が絞ることができます。

まずはここがクリアできると、転職活動が非常にスムーズになるように思っています。

他の会社を体感 今いる会社、他社の良さを理解

新卒から同じ会社で働き続けてきた人は、他の会社を知りません。私もそうでした。

転職活動で社外の人と話したり、会社訪問することで、自分がいる会社との違いにショックを受けたり、今いる会社の良さがわかってくることがあります。

私の経験談をお話します。

業界が現職と全く異なるベンチャー企業に伺い、業務内容や会社案内をさせていただく機会がありました。

とてもきれいな会社で、今まさに成長している会社といった雰囲気。

自分が勤めている古き良き男社会の会社とは大違いで、ガラス張りの会議室、きれいなデスク、若い社員たちに見とれていました。

しばらく話していると、事務所で誰かが話している声が聞こえました。

  男性:「Aさん、△△の契約取れました!!」

  Aさんらしき人:「△△の契約取れました!」

  一同:ワー!!パチパチパチ!!!

私は、あっけに取られてしまいました。

ドラマでしか見たことがない、こういった風景。本当にあるんだ・・・。

カルチャーショックでした。

まだ社会人経験が浅かった時期だったということもあるのかもしれませんが、あまりに違う風習にたじろいでしまい、私はこの会社を受けることは辞めてしまいました。

次の転職活動では、カルチャーショックを受けないよう、自分が現在いる業界内での転職を目指しました。

その会社は輸入商社で、大きくくくれば同じ業界とは言えども、自分がいる会社より先進的でとてもいい雰囲気でした。社長も若手で、バリバリ仕事を進めていく様子。

社長とも意気投合し楽しかったので、正直なところこの会社に転職したい!と思っていました。

しかし後日、採用面接に進む前に、人員が足りたとの理由でお断りされてしまいました。

本当に人員が足りたのかもしれないですが、おそらく業界が狭すぎてのお断りだったのではないかと思っています。あとでよくよく調べたところ、自分が勤めている会社と、受けようとした会社が、遠回りではあるものの付き合いがあったため、その影響だったのかなと思ってみたり。もちろん、私自身になにか問題があったのかもしれませんが、わかりません。

非常に残念ではあったのですが、同じ業界とは言えども違う思想を持つ会社の話を聞くことができたため、その後の業務にもプラスの影響を与える出来事となりました。

この事例以外にも転職活動を行ってきたわけですが、結論として、今自分が勤めている会社は業界内でも有名であり、福利厚生も意外とちゃんとしていて、いい会社であることに気がつくことができました。

とはいえ、一生働き続けるつもりはさらさらないので、いつかは転職します。

現在は妊娠中なのでもうしばらく会社に甘えさせていただき、いつか違う道にも行ってみたいと考えています。

転職に対する意識のハードルが低くなる

私の旦那は2回転職を経験しており、今後もまだ転職するつもりでいます。

私は転職をしたことは無いものの、転職活動経験と転職意欲があるため、いずれは転職しようと考えています。

以前、旦那が勤務していた会社で、自主退職者を募集するという事件が起きました。要はリストラです。

大変ショッキングな出来事ではあったのですが、この自主退職の場合、該当者は通常の退職金以上のお金をもらって退職することができます。しかもその額が、1年働かなくても生きていけそうな額でした。

旦那がもし当時の会社で今も務めていたら、全力で手を挙げて自主退職すると言っていました。ちなみに私が同じ立場だったとしてもそうします。

とはいえ、年齢もありますし、もちろん家族がいたり、家のローンがあったりと、そう簡単に転職に踏み切れない状況下の方が多いのは確かなのですが、入社当時からずっと同じ会社で働いていた人というのはそもそも転職に対してめちゃくちゃ高いハードルを感じているように思います。

転職は簡単なものではありません。ただ、あくまでも私の主観にはなりますが、転職活動に本腰を入れた経験がある人からすると、世の中にはいろんな会社があるのだから、1つの会社にこだわる必要なんてないと思えてしまうような気がしています。

転職経験者、転職活動経験者は、自分が求める条件もある程度わかっているし、自分の条件と少しでも擦りあう会社がいくつかあったという経験があるため、そのあたりのフットワークが軽いのかもしれません。

自主退職募集を突きつけられた時、当事者はそりゃぁもちろんショックを受けることは当然です。ただ、ずっとその会社で勤めてきた人たちは「転職できるのかよ」と不安に、先に転職していたメンバーは「うらやましい!今だったか~」と、ある意味無責任な発言ではあるものの、そんな雰囲気を感じました。

まとめ

基本的に転職は、現職よりいい条件の会社に行くことが基本です。

いい条件というのは人それぞれで、一番はやはりお給料面かなとは思います。

「給料は上がらなくてもいいから、とにかく残業がない営業職がいい」などと、給料より求める条件がある場合は、その条件がクリアできさえすれば、現職よりいい条件での転職になると思います。

30、40と歳を重ねると、なかなか現職よりいい条件への転職は難しくなる部分も出てくるかもしれません。

でも、今までの経験値がありますから、その経験値をアピールするれば、高給取りへの転職だって不可能ではないはずです。

そんな実力は自分にはないよという方も(私も含む)、現職でネックとなっていて改善したかった条件を洗い出すことで、転職へのハードルは少し下がるのではないかなと思ったりしています。

自分は結局転職できませんでしたが、転職活動をしたことで自分が求めているものが自分で理解できるようになり、また現職のいいところ悪い所が明らかになり、結果的に現職の仕事に打ち込むことができてきました。

だから、「もうこの仕事嫌だよ」「こんな職場でやっていられないよ」という人には、ぜひ転職活動を一度やってみてほしいと思います。転職できなくたっていいんです。

転職活動をすることによるデメリットは、体力精神力をちょっと使って疲れるくらい。メリットの方が大きいと思います。

今の会社にうんざりな方は一度、転職活動してみるのはいいと思いますよ。